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平成29年度前期 線形代数

曜日 金曜日 時間 9:00〜10:30 教室 122

教科書:三宅敏恒著(1997年)『入門 線形代数』培風館、1620円+税

○ 教室が変更になりました。123→122

〇 定期試験の成績が思わしくない場合は、単位取得は難しいと考えて下さい。

〇 東京理科大学経営学部への特別編入学を考えている学生は、必ず履修してください。

回数 日付 授業内容 授業内演習  テスト対策としての質問 
1 4月14日
  • ガイダンス(受講するかは、ガイダンス後に決めてください
  • 本授業「線形代数学」で勉強する内容を概観しました。キーワードとしては、連立1次方程式、固有値と固有ベクトルです。今後、行列、ベクトル、不能、不定、行列のランク(階数)、行列式、ベクトル空間、次元などを勉強していくことになります。今回は、何も理解できていなくても問題ありません。15週の勉強後に、いろいろな知識を得られていることに魅力を感じてもらえればと思います。やるからには、途中で挫折しないように頑張りましょう。
  • 定期試験は、基本的に、計算問題です。
2 4月21日
  • 教科書:pp.1-5
  • 行列に関する定義を中心に解説しました。
  • キーワード:行列の型・成分、行と列、行ベクトルと列ベクトル、行列の相等、零行列、単位行列、正方行列、対角成分、スカラー行列、転置行列
  • 宿題:p.4 例題1.1.1
  • p.5 1、4
  • 行と列の関係を整理しておきましょう。
  • 転置行列の転置行列は元の行列であることを確認しておきましょう。
3 4月28日
  • 受講者数が多いため、教室が変更になりました。122です。(4/27記)
  • 教科書:pp.4-7
  • 前回の復習をした後(15分程度)、行列を型と成分で表す方法として、クロネッカデルタを用いた方法を説明し演習しました。また、行列の演算として、和・差、スカラー倍、積について説明し問題演習しました。特に、成分を用いた表現方法を解説しました。
  • キーワード:クロネッカデルタ、スカラー倍、和が定義される条件と型、行列の積が定義できる条件と結果得られる行列の型
  • p.5 2(1),(2)
  • p.6 例3、例4
  • p.10 1(1)
  • 行列の基本計算ができるようにしましょう(転置、和・差、スカラー倍)
  • 行列の積が計算できるようにしましょう。習うより慣れろ、です。
4 5月12日 
  • 教科書:pp.7-10
  • 前回までの復習をした後(30分程度)、行列の演算の性質について確認し、教科書の問題を使い問題演習しました。べき零行列に関連して、零因子行列について解説しました。
  • キーワード:交換法則、結合法則、分配法則、転置、ベキ零行列、零因子行列
  • p.9 例題1.2.1、例題1.2.2
  • p.10問題1.2 1(5)、5
  • p.10の問題はすべて解けるようにしましょう。
  • pp.11-14は自分で読めると思うので、問題演習を含め、各自で取り組んでください。
  • 来週は、逆行列を解説した後、p.15から解説していきます。
5 5月19日
  • 教科書:pp.11-22
  • 前回の復習をした後、行列の分割について簡単に説明し演習問題を斜め読みしました。その後、連立一次方程式、一次結合について説明し、問題演習をしました。最後に、連立一次方程式を解く方法として、掃き出し法について解説し、(行)基本変形を説明しました。また、問題演習をしました。
  • キーワード:行列の分割、ブロック、係数行列、拡大係数行列、数ベクトル、1次結合(言葉だけ:一次独立、一次従属)、掃き出し法、行列の基本変形
  • p.11 例1
  • p.12 例題1.3.1、例題1.3.2
  • p.13 例2、例3
  • p.15 例題1.4.1
  • p.16 例題1.4.2
  • p.17 例題1.4.3
  • p.18 問題1.4 3(2)
  • p.21 例題2.1.1
  • p.14の問題1.3は各自でやっておいてください。
  • p.18 問題1.4もやっておいてください。
  • p.21 例題2.1.1は必ずやってみてください。
6 5月26日 
  • 教科書:pp.23-31
  • 前回の復習をした後、簡約な行列について説明し、連立一次方程式を解く視点から、基本変形を使い、行列の簡約化の練習をしました。また、簡約化の過程を見直すことで、連立一次方程式の解がどのようになっているか(解なし、解が無限個存在、解が一意的に決まる)の判定を、係数行列と拡大係数行列の階数を比較することでできることを定理として解説しました。
  • キーワード:行の主成分、簡約な行列、階数(rank A)
  • p.22 問題2.1 2 (3)(4)
  • p.24 例題2.2.1
  • p.29 例題2.3.1
  • p.30 例題2.3.2
  • p.27 問題2.2は各自でやってください。
  • p.33 問題2.3は各自でやってください。
7 6月2日
  • 教科書:pp.31-37
  • 前回までの復習をした後、同次形の連立一次方程式の解の性質と、解の求め方を解説しました。自明な解という用語を覚えましょう。関連して、特殊解、一般解についても説明しました。後半は、正則行列について説明し、実際に求める問題演習をしました。10分程度の問題演習時間をとりました。どこに着目したらよいかを理解し、手際よく計算できるようにしてください。
  • キーワード:同次形連立一次方程式、自明な解、逆行列、正則行列、転置行列
  • p.32 例題2.3.3
  • p.36 例題2.4.1
【各自で問題演習してください】
  • p.33 問題2.3
  • p.37 問題2.4
8 6月9日
  • 教科書:pp.38-43, p.48, p.58
  • 前回の復習をした後(15分)、行列式の解説をし、演習問題を解きました。教科書とは異なり、連立一次方程式を解く視点から行列式を定義し、計算方法を紹介しました。3次の行列式をサラスの方法で解説した後、置換による定義も簡単に紹介しました。問題演習後、4次以上の行列式の計算方法として、ラプラス展開公式を紹介しました。また、第1行、第4行、第2列で展開してみるなどの演習をしました、。
  • p.37 6(零因子行列・ベキ零行列・正則行列)
  • p.48 問題3.2 1と2
【各自で問題演習してください】
  • p.48 問題3.2 2
9 6月16日
  • 教科書:pp.49-57
  • 前回の復習をした後、行列式の性質について解説しました。特に、(行の)基本変形と関係させながら覚えてください。問題演習をしました。さらに、余因子行列(余因子については次回しっかり定義します)、第k行での展開公式(ラプラス展開公式)、逆行列について解説しました。最後に、余因子行列とそれを用いて逆行列を求める問題演習をしました。
  • キーワード:余因子展開、余因子行列、逆行列と正則性
  • p.50 例1、例2
  • p.51 例3
  • p.52 例4、例5
  • p.53 問題3.3
  • p.54 例1
  • p.55 例2、例3
【各自で】
  • p.57 例題3.4.1
10 6月23日
  • 教科書:pp.57-64
  • 前回の復習をした後、掃き出し法(分数を使わない)により逆行列を求める問題を解きました(p.57 例題3.4.1)。その後、クラ―メルの公式を復習し、ファンデルモンドの行列式など特別な行列式の計算と性質について解説しました。最後に(20分程度)、今までの知識を使いながら、ベクトル空間の定義を解説しました。
  • ベクトル空間の話からは、かなり難しくなります。p.62までの計算問題を十分に理解していない人は、先へ進むことを考えるよりも、そこまでの計算がしっかりできるようにしてください。そこまでできれば、合格点には到達します。
  • キーワード:余因子、余因子行列、ファンデルモンドの行列式、クラ―メルの公式、ベクトル空間
  • p.57 例題3.4.1
  • p.58 例題3.4.2
  • p.60 例題3.5.1
  • p.62 問題3.5 1(1), (2)
【各自で】
  • p.59 問題3.4
  • p.62 問題3.5
11 6月30日
  • 教科書:pp.63-67 (p.66は省略)
  • ベクトル空間の話と部分空間の話をしました。ベクトル空間の定義を説明し、具体例で確認しました。また、教科書にあるベクトル空間の例を定義に沿ってベクトル空間になることを確認しました。次に、部分空間の定義を示し、その意義について解説しました。特に、(もとになるベクトル空間と同じ)0を含むことを覚えましょう。
  • キーワード:ベクトル空間、部分空間
  • p.65 例題4.1.1, 例題4.1.2
【各自で】
  • p.67 問題4.1 1(のみでOK)
12 7月7日
  • 【予定】1次独立と1次従属
  • 教科書:pp.68-76 ところどころ割愛
  • ベクトルの1次結合と1次従属を中心に解説しました。特に、目的である連立一次方程式の解を考える場合と比較しながら解説しました。1次独立と1次従属の違いを明確にしましょう。最後に、1次独立なベクトルの最大数を求めるために、行列としてのランクを求めると良いというところまで勉強しました。いろいろな知識が統合されていきます。ランクの求め方などを復習してください。
  • 7月21日(金)が休講となることを告知しました。他の授業との関係で25日(火)に出席できない受講者は連絡してください。
  • p.69 例題4.2.1
  • p.76 例題4.3.1
  • 次週、固有値と固有ベクトルを解説します。そこに入り前に、今までの計算問題を解けるようにしておきましょう。計算に問題は、第10回目までのところが重要です。(定期試験という意味でも)
13 7月14日
  • 【予定】線形写像
  • 【予定】固有値と固有ベクト
  • 教科書:pp.81-86(教科書を使わずに概略を説明)、pp.98-100
  • ベクトル空間の話から復習して、部分空間としての解空間の話をしました。中心テーマは、無限集合をどのようにして有限の世界でとらえるかということでした。答えは、和とスカラー倍を定義することでベクトル空間を作り、一次独立な有限個のベクトルの一次結合を利用するということでした。このときに必要となる一次独立なベクトルの集合を基底といい、そこに含まれる有限個の基底の個数を次元というのでした。
  • 固有値と固有ベクトルを考えるということは、上記の考えにそって考えることで、固有値方程式から固有値を求め(正則でない条件を考える)、それぞれの固有値に対する解空間を求めることでした。解空間から零ベクトルを除いたものが固有ベクトルでした。実際の問題を使い演習しました。
  • 以上で、試験範囲は全て終了です。問題演習をがんばってください。
  • p.99 例2、例3
  • p.100 例題5.3.1
  • 自作問題
  • 固有ベクトルに零ベクトルを加えることで解集合を作り、それがベクトル空間をなすことを、すなわち解空間を作るので、無限集合を有限個でとらえることができることになること。その上で、それらから零ベクトルを除くと、固有ベクトルの集合が得られたのでした。
  • つまり、関係のないものを取り組んで考えるとうまくいき、結果が出た後に、その関係ないものを放出するとうまくいくということでした。
  • この例として、遺産と馬の話をしました。あやふやでしたが、以下のようなものでした。考え方は似ていますので、確認してください。
  • ある大富豪が3人の息子に遺産として馬を17頭残しました。遺言書には次のように書いてありました。「長男は2分の1、次男は2分の1、三男は9分の1に分けること」。しかし、17頭では計算が上手くいきません。そこで、1頭をどこからか借りてきます(零ベクトル)。すると、18頭になり、2分の1の9頭を長男が、3分の1の6頭を次男が、9分の1の2頭を三男がもらえることになります。ところで、長男と次男と三男がもらう馬の数を合計すると、9+6+2=17頭になります。つまり1頭余るわけです。そこで、その1頭は、借りてきた馬主に返せば丸くおさまることになります。
  • え?ちゃんと、借りてきた馬を馬主に返さないと、丸くおさまらなくなるって?いやいや、本当に借りて来なくても、みなさんなら「借りてきたとして・・・」ということで、丸くおさめることができますよね。零ベクトルもその程度の扱いで考えてください。
14 7月21日
  • 【予定】固有値と固有ベクトル
  • 出張のため休講とします。
    • 7月25日(火)14:40〜16:10
    • 122教室
14  7月25日(火)
14:40-16:10
122 
  • 【予定】線形写像
  • 教科書: pp.98-100
  • はじめに,連立一次方程式の解き方について,同次一次連立一次方程式を考え,その解空間の次元(=任意定数の個数)を求める方法を解説しました.同様に,一般の連立一次方程式の場合に,任意定数の個数を求める方法を解説しました.未知数が3個以上の場合は有用なので,2時の場合でもできるだけ必ず計算するようにしてください.
  • その後,固有値と固有ベクトルの話をし,実際に固有値と固有ベクトルを求める演習問題を解きました.特に,固有値は100%計算できるものとして,3問くらい演習しました.
  • 試験勉強をする場合は,まず赤い枠の問題(たとえばp.4 例題1.1.1)を解いてください.余力があれば,節末の問題(たとえばp.5問題1.1)を解いてください.
 
  • p.98 例1
  • p.99 例2
  • p.100 例題5.3.1
 
15 7月28日
  • 【予定】行列の対角化
  • 【予定】線形写像
  • 教科書:pp.87-97, pp.112-114
  • 線形写像について解説し,(表現)行列との関係を説明しました.また,内積とノルムを定義し,内積空間について説明しました.統計でつかう「相関係数」について,内積を用いて説明しました.
特に問題はやりませんでした.(例をいくつか示しただけ)
  • 試験は,計算問題が中心です.